めぐりあう時間たち
2002年 アメリカ
監督
スティーブン・ダルトリー
出演
ニコール・キッドマン
アカデミー賞最優秀主演女優賞
ジュリアン・ムーア
メリル・ストリープ
異なる時代を生きた3人の女性たちが、
ヴァーニジア・ウルフ作の『ダロウェイ夫人』を共通項として、
それぞれの人生を迷いながら、生きていく。
ラストで、ひとつにつながっていくところに、
原作者マイケル・カニンガムの構成力のすばらしさを実感する。
自分らしい人生を生きようとして、
それぞれが違った方向に進んでいくのだが、
3人ともに共感してしまった。
精神を病んだヴァーニジア・ウルフ(ニコール・キッドマン)
にこりともせずに、常にいらいらしている彼女。
もっと楽に過ごせたら、、と見ていて思いつつ、
自分を追い込んでいくことをしなかったら、
彼女は後生に残る小説を書くことはできなかったと思うと、
彼女なりの人生を生きたんだと納得せざるをえない。
幸せな家庭の妻ローラ・ブラウン(ジュリアン・ムーア)
でも彼女は、いい妻&母であることに疲れていた。
子どもと夫を残して、
お腹の子どもと共に薬で死のうとする。
でも、できない。その時は。。。
逃げ出したいと思う彼女が、結局は一番長く生きることになる。
そして、クラリッサ・ボーン。
長年尽くしてきた友人がエイズに病んでいる。
同性の恋人と暮らしながら、
人工授精で子どもを産んでいる。
3人の女性の1日を描いていく。
ただ彼女たちにとって、その日は、
それぞれの人生に大きく関わる“別れ”の日だったようである。
共通点がラストで、つながっていくのにはうならされた。
3人の女優たちが、さすがに巧い。
心情の変化をしぐさ、表情とともに演じていく。
見終わったあと、悲しい物語のはずなのに、
何故かさわやかな余韻が残る。
そして、自分もひとりの女性として、これからの人生をどう生きていこうか、
素直に考えさせてくれる。
「誰のために、人生を送るのか?」
音楽も実に素晴らしい!!
もの悲しいけれど、どこかに希望をかんじさせる旋律です。
是非サントラをGET!したいです。
「CINEMA INDEX」