シチリア島で育ったサルバトーレ少年は、パラダイス座という映画館の技師アルフレッドを慕って、自らも映写技師になる。成人した少年に、アルフレッドは「どんなことがあっても島にもどってきてはいけない」と進言する。
30年後、映画監督となったサルバトーレは、アルフレッドの死の知らせを受けて島に戻る。パラダイス座は壊されたが、形見のフィルムを観る。
この映画、「今までで感動した映画」なんていう特集があると、必ずとイッテいいほど取り上げられていた。何でそんなに支持されるのだろうとビデオで観てみた。途中までは、イタリア映画特有のやや暗めでモノ悲しい展開。ところがラストで、サルバトーレが形見のフィルム(上映禁止だったラブ・シーンばかり集めたモノ)を観るとき、今までの思い出がこみあげてきて主人公といっしょに涙、涙、なみだでした。なるほど、、支持される由縁がわかったようで、うれしかった。
「自分のすることを愛せ。」最後のラブ・シーンの場面だけでなく、名ゼリフも出てきて、見終わると、名作を堪能できた満足感に浸ることができる名品だ。ときどき見返したいものの
ひとつである。
シチリアの人々にとって、パラダイス座で映画をみることが心の拠り所になっていた。
人生経験はまだまだコレから積まなければならないけど、たとえ地味であっても、サルバトーレのように思い返したい、、なんて感じてしまった。